歯科治療で広く使われている銀歯。銀歯は、保険適用となるため費用面では
大きなメリットがありますが、その反面、見た目や金属アレルギーのリスク
などの懸念点もあるようです。
そして、保険適用で使われる歯科素材は、むし歯再発の可能性が高くなると
いうデメリットがあるのをご存知でしょうか?今回は、むし歯の再発(二次
カリエス)の概要・原因や、その予防法についてご紹介していきます。
二次カリエスによるむし歯再発確率は、なんと80%!
では、実際に二次カリエスになってしまう人はどれくらいいるのでしょうか?
歯科先進国とされているスウェーデンのイエテボリ大学。その予防歯科学科の
アクセルソン博士が行った研究の結果によると、人が30年の間にかかるむし歯
のうち、なんと80%は二次カリエスだったそうです。
繰り返し歯科治療を受けた歯には、必ずダメージが残ります。そのせいで、歯
の寿命が縮まることも少なくありません。そういう意味でも、二次カリエスは
本来避けなくてはならない症状なのです。詰め物やかぶせ物を施している歯で
は、歯と材料との間に隙間が生じることを自覚し、より丁寧に歯ブラシを使う
必要があります。
二次カリエスの概要と原因
むし歯治療に用いた詰め物や被せ物のすき間にむし歯菌が侵入し、歯が再度む
し歯になってしまうことを「二次カリエス(二次う蝕)」と言います。原因は
多岐にわたりますが、大きなものとしては詰め物やかぶせ物の劣化です。とく
に保険適用内の素材(プラスティック素材など)は劣化がおこりやすく、二次
カリエスになる可能性も高いようです。そのほかにも、人工歯接着に使われる
セメントの劣化や、治療精度が悪いことで詰め物と歯の間に隙間ができてしま
うことも原因のひとつです。
なぜ、悪化したむし歯は抜歯をしなければならないのか?
極論でお伝えすると、限界を超えて進行したむし歯は抜歯をしないと命にかか
わる場合があるからです。口腔内には、常に外からありとあらゆる菌が出入り
しています。歯は穴が開いたら再生する機能がありません。一度穴が開いたら
あきっぱなしです。現代のような人工の詰め物で穴をふさぐ技術がなかった時
代では、虫歯になったら穴からどんどん病原菌が歯の内部に侵入し、そのうち
歯髄の血管から入った菌が体中をめぐり敗血症になって死にいたるということ
も普通にありました。
そのため、虫歯で詰め物も被せもできないくらい限界をこえてボロボロになっ
てしまった歯は抜くしか道はありません。抜けば周りの歯肉の上皮で穴がふさ
がり、病原菌の侵入は阻止できます。抜いた部分の歯はなくなりますが、その
後の体へのリスクを考えるとやむを得ざる選択肢なのです。
二次カリエス防止はセルフ&プロケアが大切
それでは、二次カリエスを防止するにはどのような対策が必要なのでしょう
か?実は、そこまで特別なことは必要ありません。基本的には毎日の歯みがき
を欠かさないこと。加えて、歯科医院の定期検診に通い、お口に問題がないか
をチェックするのが大切です。なお、より確実な予防に努めたいという方は金
属やプラスチックでできた詰め物・かぶせ物をセラミック(陶器)に替えると
いう方法もあります。耐久性や防汚性に優れたセラミックは、二次カリエス予
防に最適です。自費診療にはなるものの、歯科技工士が時間をかけて丁寧に製
作するため、セラミックなどを使用する治療はおすすめです。
二次カリエスの早期発見・早期治療のためには歯科医院での定期検診が有効で
す。健やかな口腔環境を守りたいとお考えの方はこまめに歯科医院へ行く習慣
をつけましょう。